転職・起業事例11/気持ちを切り替え異業種・異分野に飛び込め!

af9920069091l[1]

林良彦は五八歳。転籍先の大学事務局で学生を相手に活躍している。

彼は東北地区の大学を卒業し、三五年前に同地区のあるメーカーに入社。以来ずっと本社、工場の人事畑が長く、採用、退職、人事、教育、労務とすべてにわたって経験し、本社の課長も務めた。

特に、工場での教育および労務担当時代には現場で働く若于の製造員から第一線の監督者クラスまでを相手に、仕事のこと、人生のこと、いろいろな相談にのっていた。

その後、開発部門に異動。そこでは海外で投資・展開している関係会社に対する管理業務を担当した。実は学生時代に英会話のサークルに所属しており、その頃から英会話には強く、海外業務担当は適任だった。開発部門にはおよそ10年間籍を置いたが、その間、副部長にも昇格し、数回の海外出張、あるいは海外の関係会社からの来社などで英会話の腕を磨くチャンスに恵まれた。

会社の制度では管理職定年を迎えた人は、関係会社よりも、資本も取り引きもない一般会社への転出が多くなってきた。

林も、一般会社で苦労するよりも、できれば関係会社に再就職したいと考えたが、残念ながら空きポストがなかった。

いよいよ管理職定年が目前に迫ったとき、人事部の出向・再就職先開拓の担当者藤塚亮介から、あるミッション系スクールで国際関係をメインに教育する大学が事務職員を募集しているので、応募してみないかと言われた。

大学には、別に、総合学部を擁する親大学や付属の高等学校があり、そちらはうまく運営されているが、この大学は開設後間もないためにいろいろな面でまだ体制が整備されていないという。また、国際関係をメインとするため、外国人の先生や海外留学生か多く、事務局にも彼らとコミュニケーションのとれる人が求められていた。

今回の求人は、そのような必要から出てきたものだ。林は、人事部門の経験で労働法を中心とする各種の法律、規則、社内規程等に馴染んでいたほか、英会話力もあり、海外からの先生や学生にも意思疎通ができ、人柄も明るく協調性もあるため、大学の要望にうまく合致し、採用が決まった。

実際に、現場に入って事務処理を見てみると、新設時に官庁に提出すべき届出で、数年経ってもまだ提出されていないものがいくつかあった。また、新設校ゆえに先輩が少なく、就職活動も十分とはいかない。そこで彼は、人事部門にいた経験を生かし自ら学生のための求職活動を行ったり、面接の受け方を敦えたりしていた。

企業で積み重ねてきたこれまでの経験が、大学という異業種の場で大いに役立っていること、また、若い人を育てることの喜びなど、本人は大変やりがいを感じている。

そんな彼に、大学側から転籍してほしいとの申し出があり、この新しい仕事に賭けてみようと転籍を決断した。新設校に通勤するには、仙台の自宅から二時間以上かかることから、転籍と同時に思い切って自宅を処分し、その大学の近くに住まいを買い求めて家族で移転した。

前述のとおり、林は当初、管理職定年後も永年勤めてきた会社の関係会社に勤務したいと思っていた人物だ。しかし空きポストがないこと、また、周りの先輩を見ると次第に一般会社への出向や転籍が増えていることなどもあり、それならいっそのこと、見ず知らずの所で今までの知識と経験を生かしてみようと、気持ちを切り替えて転籍を選んだことが成功につながったのである。

現役転職コンサルタント


Related Posts



Comments are closed.